1. HomeアイコンHome
  2. News

U-NEXTとの提携によって日本上陸を果たすHBOmaxへの期待と市場への影響

映像ネット配信界隈では、年初来もっともホットなニュースが飛び込んできました。映像配信サービスでおなじみのU-NEXTがHBOmaxとパートナーシップ契約を締結したというものです。

いまや、米国を中心として映画業界はネット配信花盛り。いうまでもありませんが、これはコロナ禍で映画館がほとんど機能しなくなったことと、それにともない自宅での映画鑑賞需要の高まりがその理由です。
日本では第一回目の緊急事態宣言が解除になった直後から映画館の営業が徐々に再開されましたが、米国での映画興行は日本とは比べものにならないくらい深刻な状況で、ニューヨークやロサンゼルスの都市部では昨年の春から今年の春までの約一年間、映画館は閉鎖状態にありました。最近になってやっと営業が再開されましたが、まだ座席数の25%しか使用を認められないなど、厳しい規制のなかでのスタートとなっています。

映画公開はしばらくネット配信へシフトし続ける

世界的な規模で新型コロナウィルスのワクチン接種が始まり、収束への期待が高まりつつありますが、ハリウッドの見方は冷静で、映画館で十分な収益を得るにはまだまだ時間がかかるものと判断しているようです。
先日、ディズニーは新作映画の公開スケジュールを更新しました。ヒットメーカーとして期待される「ブラック・ウィドウ」「クルエラ」は劇場で上映されるものの、ネット配信サービスのDisney+でも同日公開することを発表しています。また、ディズニー/ピクサーの最新作「あの夏のルカ」は劇場公開を見送り、Disney+でのみ公開されることになりました。

満を持して日本へ上陸したHBOmax

HBOmaxはその名前からも分かるとおり、米ケーブルテレビ局大手のHBOと同系列のSVOD(Subscription Video on Demand)サービスです。これはいわゆるサブスクの一つで、定額で映画などのコンテンツが見放題になるネット配信サービスのことです。
同じSVODサービスとしては、NETFLIX、Amazonプライムビデオ、Disney+などがありますが、いずれも既に日本でのサービスは始まっており、大手としてはHBOmaxのみ日本でのサービスが始まっていませんでした。

U-NEXTを介する形となったとはいえ、HBOmaxが日本に上陸することの意味は大きなものとなりそうです。日本で映画を見られるネット配信サービスは上記のとおり既にたくさんありますが、YouTubeやApple TV+とHBOmaxの大きな違いは、自社系列で大型コンテンツを制作供給できる体制を持っているという点です。
例えば、Amazonプライムビデオは自社でAmazon Studiosを持っていますし、NETFLIXもオリジナル作品では既にハリウッドメジャーと肩を並べる存在となっています。Disney+は説明するまでもなくディズニーと直結しています。いずれも強力なオジリナルコンテンツの供給体制により大きなシェアを握っています。各社ともヒットが期待される自社コンテンツを独占的に公開できるため、他からコンテンツを仕入れなければならないネット配信サービスと比べ、格段に有利なビジネスを展開することができるのです。そんななか、昨年5月に米国でサービスを開始したのがHBOmaxです。

期待が掛かるHBOとワーナーブラザースのコンテンツ

HBOmaxが供給するコンテンツはHBOが持っているテレビシリーズだけではありません。HBOとHBOmaxは同じ親会社ワーナーメディアを持つ姉妹会社ですが、他にハリウッドメジャーの一角であるワーナーブラザースも同じ姉妹会社として存在しています。そのため、HBOmaxはワーナーブラザースのネット配信部門としての役割も担っています。
昨年12月には、ワーナーブラザースが提供する「ワンダーウーマン 1984」を劇場とHBOmaxで同時公開しています。「魔女がいっぱい」については、劇場での公開を見送りHBOmaxでのみ公開としました。(いずれも日本では劇場公開)またワーナー・ブラザースはそれに加え、2021年に公開するすべての新作を劇場とHBOmaxで同時公開すると発表し関係者を驚かせました。

以上のようにサービス開始から注目され続けてきたHBOmaxが、いよいよ日本にも上陸してきたわけです。ただし、日本でのサービスはDisney+のような直営ではない上に、作品ごとの契約でU-NEXTを介して供給されるため、どれだけHBOmaxやワーナーブラザースのオリジナル作品を独占配信できるかが成功の鍵とになりそうです。
U-NEXTのニュースリリースによると、現在のところリドリー・スコット製作総指揮の「レイズド・バイ・ウルブス / 神なき惑星」やスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の「Oslo(原題)」の提供が決定しており、4月1日より配信が開始されます。

U-NEXT公式サイト:ニュースリリース

記事タイトルとURLをコピーする