ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染が米国でドキュメンタリー化

乗員乗客が撮影した映像を使用

ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染については、日本でもNHKがドキュメンタリー番組を製作するなど、高い関心を集めましたが、同船の乗客は日本に次いでアメリカ人が多く、米国でも非常に関心が高い出来事でした。
この作品では当時の乗員、乗客が携帯端末で撮影した映像を積極的に取り入れた構成となっています。オルソン監督によると、収集した映像は数百時間にも及ぶとのことです。当時、船内の映像はSNSや報道でもほとんど流されることがありませんでしたが、本作の予告編では乗客の視点を通した生々しい映像が垣間見えます。

世界的に注目を集めたこの集団感染では乗員乗客3713人のうち14名が死亡、712人が感染する事態となっています。（2020年7月31日国立感染症研究所発表）

出典：国立感染症研究所

ダイヤモンド・プリンセス号のその後

執筆現在、ダイヤモンド・プリンセス号の運行は休止していますが、2021年7月より日本発着便の運行を再開する予定です。再開にあたっては、全乗客に対してPCR検査を実施することや非接触型サービスの導入などで感染対策の強化が図られます。

なお、運営会社のプリンセス・クルーズは、今回の乗客に対して異例とも言える補償を実施しています。航空券やタクシー代、お土産代にいたるまで旅行代金の100％を返金。これは隔離によって滞在が延長された期間の費用も含まれています。さらに、今回のクルーズ料金と同額の「フューチャー・クルーズ・クレジット」を提供。これは次回のクルーズに使えるクーポン券で、事実上次回のクルーズに無料招待する形となっています。