第41回ゴールデン・ラズベリー賞(通称ラジー賞)のノミネートが発表されました。追記 > ラジー賞発表!注目のグレン・クローズは賞を逃す
その存在自体がパロディ色の強い賞ですが、今回でもう41年目であり、数々の笑えるエピソードと歴史を誇る賞となってきました。
ラジー賞はいわゆるワースト映画賞の代表格であり、そのネーミングは "Razz" の「あざ笑う」や「ブーイング」を意味する言葉から由来しています。
選考は「Razzieメンバー」という「米国の50州すべてと20を超える外国からの1,090人」により構成された会員によって投票されます。会員の資格がやや不透明なところはありますが、投票人の数だけはそれなりに揃っているようです。
「愛は、365の日々で」と「ドクター・ドリトル」が最多ノミネート
今回の最多ノミネートは「愛は、365の日々で」と「ドクター・ドリトル」の6部門(同数)で、次点が「ファンタジー・アイランド」の5部門です。
「愛は、365の日々で」は性的暴行など過激なシーンが話題となった作品ですが、公開当初からメディアや批評家には好ましくない映画として酷評されていました。有名な映画格付けサイトRotten Tomatoesでは0%の最低評価がつけられています。「ドクター・ドリトル」も評価は悪く14%の評価
となっています。
「愛は、365の日々で」
予告編
「ドクター・ドリトル」
予告編
高評価のグレン・クローズがノミネート
俳優部門では、グレン・クローズが最低助演女優賞にノミネートされて話題となっています。グレン・クローズはゴールデングローブ賞でもノミネートされており、アカデミー賞でも有力候補とされています。追記 > アカデミー賞にノミネート
ラジー賞にノミネートされた理由は推測となりますが、対象作品である「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」の前評判が良かったわりに、実際観てみるとそれほどでもなかったという期待負け作品であったことが影響しているように思えます。そのせいか、同作品は最低監督賞と最低脚本賞にもノミネートされています。
「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」
予告編
アーノルド・シュワルツェネッガーが最低助演男優賞にノミネートされた「Iron Mask(原題)」は、昨年米国で公開された時点で「最高の駄作」と題した記事が著名ニュースサイトGIGAZINEに掲載されています。
ラジー賞の授賞式はアカデミー賞授賞式の前夜に行われることが恒例となっており、今年は2021年4月24日(現地時間)に各賞の "勝者" が発表される予定です。
第41回ゴールデン・ラズベリー賞ノミネート受賞リスト
最低作品賞
- 「愛は、365の日々で」
- 「Absolute Proof(原題)」
- 「ドクター・ドリトル」
- 「ファンタジー・アイランド」
- 「Music」
最低主演女優賞
- アン・ハサウェイ「マクマホン・ファイル」「魔女がいっぱい」
- ケイティ・ホームズ「ザ・ボーイ 残虐人形遊戯」「ザ・シークレット: デア・トゥー・ドリーム」
- ケイト・ハドソン「Music」
- ローレン・ラプカス「僕のミッシー」
- アンナ=マリア・シエクルッカ「愛は、365の日々で」
最低主演男優賞
- ロバート・ダウニー・Jr「ドクター・ドリトル」
- マイケル・J・リンデル「Absolute Proof(原題)」
- ミケーレ・モローネ「愛は、365の日々で」
- アダム・サンドラー「ヒュービーのハロウィーン」
- デヴィッド・スペード「僕のミッシー」
最低助演女優賞
- グレン・クローズ「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」
- ルーシー・ヘイル「ファンタジー・アイランド」
- マギー・Q「ファンタジー・アイランド」
- クリステン・ウィグ「ワンダーウーマン 1984」
- マディー・ジーグラー「Music」
最低助演男優賞
- チェビー・チェイス「The Very Excellent Mr. Dundee(原題)」
- ルディ・ジュリアーニ「続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
- シャイア・ラブーフ「The Tax Collector(原題)」
- アーノルド・シュワルツェネッガー「Iron Mask(原題)」
- ブルース・ウィリス「Breach(原題)」「Hard Kill(原題)」「ナイト・サバイバー」
最低監督賞
- チャールズ・バンド「Barbie & Kendra(原題)」シリーズ
- バルバラ・ビアウォヴォンス,バルバラ・ビアウォヴォンス 「愛は、365の日々で」
- スティーブン・ギャガン「ドクター・ドリトル」
- ロン・ハワード「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」
- シーア「Music」
最低脚本賞
- 「愛は、365の日々で」
- 「All 3 Barbie & Kendra Movies(原題)」
- 「ドクター・ドリトル」
- 「ファンタジー・アイランド」
- 「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」
最低組み合わせ賞
- マリア・バカロワとルディ・ジュリアーニ「続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
- ロバート・ダウニー・Jrと彼のまったく説得力がない(英ウェールズ地方の)アクセント「ドクター・ドリトル」
- ハリソン・フォードとまったくもって嘘っぽいCGIの犬「野性の呼び声」
- ローレン・ラプカスとデヴィッド・スペード「僕のミッシー」
- アダムサドラーと彼の耳障りで間抜けな声「ヒュービーのハロウィーン」
最低リメイク・パクリ・続編映画賞
- 「愛は、365の日々で」 (リメイク,「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のパクリ)
- 「ドクター・ドリトル」 (リメイク)
- 「ファンタジー・アイランド」(リメイク)
- 「ヒュービーのハロウィーン」 (リメイク,「Ernest Scared Stupid(原題)」のパクリ)
- 「ワンダーウーマン 1984」(続編)